風と草
広く種を蒔けば
2025-08-26
こんにちは、副住職の源さんです。
8月15日の坐禅会では、過去最高の38名の参加があり、
皆さんがスッキリした顔でお帰りになる姿をみて、私も嬉しかったです。
広福寺のパンフレットを作成して下さったデザイナーの小林未央さんも坐禅会に参加されたのですが、
その際に広福寺の大賀ハスの種を所望されました。
時折大賀ハスを所望されるのですが、種から花を咲かせることは難しいとよく耳にするので、
いつも3月頃に蓮根を根分けして差し上げております。
しかしチャレンジ精神あふれる小林さんは、目をキラキラさせながら「種から育ててみたいです!」と。
ということで、何粒か差し上げたのですが、内心は「たぶん無理だろうなあ」と思っておりました。
しかし、、、なななななんと!
みるみる種は発芽し、すくすくと育ち、かわいらしい葉を広げたそうです(写真1~3枚目)。
さらに隣町のブックカフェ・マルベリーフィールドの睡蓮鉢にも移してくださいました(写真4枚目)。
写真は小林さんから送られてきた成長記録です。
とっても清らかで愛らしいですよね。
私は種から発芽させることは難しいと聞き、自分でやってみることもなく、最初から諦めていましたが、
小林さんは「とりあえずやってみる!」精神で、見事に私の思い込みを打ち砕いてくれました。
広福寺の名前は「広種福田」という言葉に由来します。
「広く種を蒔けば、田には多くの福が実る」という言葉です。
自然は時に厳しく、人生は時に困難であり、
広く種を蒔いても、実らないこともあるかもしれません。
しかし、種を蒔かなければ、絶対に田は実りません。
実ると信じて、まずは種を蒔いてみること。
種を蒔いた人だけが、豊かな実りを得ることができ、
その実りがまた周りの人を豊かにする。
小林さんが発芽させた蓮が、マルベリーフィールドにも育ち、多くの方々の心に清風が吹き抜ける。
これこそが「広種福田」だと思いました。
それでは、中学3年生の時に生物で赤点を取った源さんでした。




