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風と草

お彼岸の過ごし方

2020-09-20
こんにちは、副住職の源さんです。
 
朝晩に秋の涼しさを感じる今日この頃。
「文化の秋」「運動の秋」「食欲の秋」
今年はどんな秋を過ごしましょう。
 
さて、今年は9月22日が秋分の日。
その前後三日間の9月19日から25日が秋のお彼岸です。
 
お彼岸とは「到彼岸」(とうひがん)という言葉からくるものです。
「彼の岸に到る」とはどういうことでしょうか。
仏教では、私たちが住む世界は「此岸」(しがん)、苦しみのない素晴らしい世界は「彼岸」、そしてその間には、煩悩の川が流れているという世界観があります。
こちらの岸から向こうの岸へ、煩悩の川を渡ることが「到彼岸」。
これがお彼岸の本来の意味です。
 
どうやったら煩悩の川を、溺れることなく渡ることが出来るのでしょうか。
川を渡るには船が必要ですね。
私たちには「六波羅蜜」(ろくはらみつ)という六つの船が用意されています。
 
布施(ふせ)    他人に何かを施すこと。
持戒(じかい)   ルールやマナーを守ること。
忍辱(にんにく)  辛抱強くものごとにあたること。
精進(しょうじん) 努力を怠らないこと。
禅定(ぜんじょう) 心穏やかに過ごすこと。
智慧(ちえ)    正しく物事をみること。
 
これらを実践することが出来れば、彼岸にたどり着けるというわけです。
彼岸にたどり着くとはどういうことか。
それは苦しみや悩みに囚われることのない人生を送るということだと、私は思います。
六つの教えを守って生活すれば、素晴らしい人生を送ることが出来るというわけです。
 
しかし、清く正しく生きることが大切なのは分かっていますが、実践するのはなかなか難しいですよね。
ついつい食べ過ぎ、ついつい飲み過ぎ、余計なものをネットショッピングしたり。
煩悩の川の流れの、なんと速いことでしょうか。
 
ですから、春と秋のお彼岸くらいは、六つの教えを意識して生活してみてはいかがでしょうか。
お彼岸は仏教実践週間なんですね。
 
その実践の一つが、お墓参り。
御先祖様に感謝の気持ちを捧げる、お墓にお花を捧げる、故人の好物を捧げる。
これらはすべて立派な「布施」の実践です。
そしてお墓参りの帰りに、ドライブしたり、美味しいものを食べたり、ちょっと遊んで帰ったり。
そうすれば素敵な秋の休日の出来上がりです。
 
今年は「仏教の秋」を過ごしてみてはいかがでしょうか?
 
それでは、源さんでした。
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