本文へ移動

風と草

降伏一切大魔

2020-05-05
こんにちは、副住職の源さんです。
ステイホーム週間をどのようにお過ごしでしょうか。
不安な日々をお過ごしの方も多いと思います。
皆様が少しでも心やすらかになるために、お寺に出来ることは何だろうか。
日々考えて過ごしています。
 
さて、今日は五月五日、こどもの日です。
そこで端午の節句にちなんだ床飾りを紹介したいと思います。
 
掛け軸は大正~昭和初期に活躍した方広寺派管長の間宮英宗(まみやえいじゅう)による鍾馗図。
上部には「降伏一切大魔」(ごうぶくいっさいだいま)と書かれています。
「降伏一切大魔」とは「一切の厄災を打ち払う」という意味。
鍾馗は古来より尊崇されてきた道教神で、その威容から魔除けのモチーフとして描かれてきました。
端午の節句にぴったりの掛け軸です。
合わせて鍾馗の五月人形もしつらえました。
 
花は境内に咲いていた菖蒲。
「勝負」や「尚武」と音通であり、端午の節句を象徴する花とされています。
 
このように端午の節句には、降りかかる厄災を払いのけ、数々の試練を乗り越え、
丈夫で立派に成長してほしいという祈りが込められています。
環境や医療が発達していない時代、人々は祈りを捧げることで、将来に明るい希望を持とうとしました。
これは現代においても大切な「生きる智慧」でありましょう。
 
祈りを捧げることで、ただちに新型コロナウィルスが退散するわけではありませんが、
不安な日々を生きなければならない現状では、祈りが心の平穏を保つのではないでしょうか。
世の中のために祈り、苦しんでいる人のために祈り、身近な人のために祈ることが、自分のための祈りになる。
 
私は祈ることから始めたいと思います。
それでは、源さんでした。
TOPへ戻る